2017年12月31日日曜日

2017年も終わるので一年の振り返りでも

2016年の年末に「来年こそは人間ドックに行く」と言っていたな。
あれは嘘だ。

どうもみなさん虎走です。
でも2018年の1月には予約を入れたよ!
人間ドックって予約入れてもすぐに行けるわけじゃないわけですよ。
特に組合の保険を利用できたりできなかったりするとね。
私はまた一つ社会についてくわしくなった。

さて2017年もついに大晦日になりました。
このブログを読んでいるごく少数のお友だちの皆様方は、この一年をいかがお過ごしでしたでしょうか。
私はなんかめっちゃ忙しかったです。
私の記憶が正しければアニメの放送があったのが今年だと思うんですよ。
時々盛大な時差ぼけを発動して「あれって去年の話だったっけ?」とか思う事もあるんですけど、なんど見返しても「2017年アニメ化」って書いてあるから今年の事だったのだと思います。

そしてアニメの放送終了に合わせてと言うわけでもありませんが、12月にでた11巻を最後に『ゼロから始める魔法の書』の第一部は、傭兵&ゼロの旅の終わりをもって終了しました。
あとがきにも書きましたが、世界観を共有した第二部が始まるんですけどね。
第一巻の初稿は実はすでに上がってるんですが、もう少しこれをブラッシュアップして、来年のどこかでみなさんにお届けできればいいなぁと、思うだけは思っています。
ほんとはほかにも言いたい事たくさんあるけど、あんまり言っちゃいけないような気がするからだまっとこう。我々はかしこいので。

それとは別に、11巻の延長のような、傭兵達が村でもだもだしてるだけの外伝も出せたらいいな~と思うだけは思ってます。
不定期でそういう外伝を出すのは、よほど売れているシリーズでないかぎり難しいとの事なのであくまで「できたらいいな」という妄想でしかないのですが、「ああいう話も書きたかったな、あのネタもやりたかったな」という思いはあるので、いつか実現出来たらいいなぁ。
担当編集氏~読んでる~?

「振り返りでも」とかいいながら未来の話ばっかりしているので振り返ろう。
えーと。
えー……
なんか……一人で北海道とかいったきがするんですけど……あれ今年かな……
あと沖縄いきました……ウミガメと泳いだりした……
海外旅行の予定が二度ほどキャンセルになって心傷つけられたり……
アニメの話はもうしたし……
急遽引っ越しを決めたり……
あ、サイン会をやらせていただきましたね……またやらせていただきたいですね……
シナリオのお仕事もやりましたね……またやらせていただきたいですね……

そんなもの? かな?
あんまり振り返るべきイベントがないことに今ビックリしている。
ただただ仕事をしていた。
あと引っ越しの準備をしていた。

結局作家って生き物は「数か月後に発表される仕事」っていうのを結構抱えているので、振り返ろうと思っても未来の話になってしまったりするわけですよ。
別に私が今年何もしてなかったわけじゃない。
ちゃんと生きてた。生き生きと生きていた。
飲み会とかにもいってた。
数年前は「いやちょっと飲み会に参加するとか私のコミュ力では無理ですわ」とか言ってたのに、今では「人と会う事はとても大切な事です」って新興宗教に入信したみたいな感じになってるくらい行ってた。

ああ歯医者。
今年一年はひたすら歯医者に通った一年でしたねえ。
銀歯のしたで虫歯が進行してたってんで、近所の歯医者で神経を抜いたんですよ。
たぶんそれが一昨年。
それから根っこの治療が永遠に終わらない。
治療中に悲鳴を上げるほどの痛みを受け、
そこから痛みが治まらないからどう考えてもおかしいと紹介状を書いてもらって医科歯科大学に行ってみれば「根っこの側面に穴開けられてるよ。これは再治療しても治らないかも」と言われて転院を決意し、しかし医科歯科大学は予約が数か月先までいっぱいで、
今年の8月くらいからようやく医科歯科大での治療が開始され、それがようやく来年の一月にひと段落しそうという、地獄のような口内環境。

この間、一切左側で物を噛めません。
噛むと痛いの。ほんとにいたいの。
一時期は豆腐もかめないくらい痛かったです。今はお米が咬めるくらいになった。
もうせんべいを噛むのは諦めた。
おそらくこの歯は数年でダメになるでしょうが、抜けるまでは使い倒してやろうという気概で治療を続けています。

みなさんも歯医者には本当に気を付けましょうね!
おかしいと思ったらすぐにセカンドオピニオンしましょうね!
一年無駄に歯医者に通った挙句に最終仕上げで歯の根っこに穴あけられるからね!
あとリフィルっていうほっそいドリルが折れて歯の中に残ってるのを放置されたりしますからね!
許さんぞほんとに!!

恨み節。
おお恨み節ならば湯水のように出てくるぞ。
分かった私が今年一年を上手く振り返れないのは「恨み節の部分に触れてはいかんな」という遠慮があるからだ。
人生って楽しい事半分、辛い事半分ですからね。
楽しいところだけうまいことピックアップしようと思っても、
辛い部分に触れずに語ろうとすると、どうも薄っぺらい話になってしまったりするものですよね。

というわけでやめやめ! 振り返り終わり!
Twitterのリプでもらった「ブログで語ってほしい事」に触れて行こうかと思います。

●ゼロから始める魔法の書の世界を生み出した経緯
なんでしょうね。
自然発生なんですよね。
これは私の書き方ですが、世界は書きながらできていきます。
「作っていく」というより「できていく」。
この街道の先には何があるの?
この街道は誰が作ったの? 何のために?
この道の所有者は? そこの水場の所有者は?
盗賊は出るの? 討伐他意はいないの?
治安維持はどこが担ってるの? 教育水準は?
そういう事を、すべて初めから決めているわけではありません。
ゼロと傭兵が道を歩いているシーンを書くと、
その街道の外れに誰かが立っている様子が目に浮かびます。
「あれは誰だろう」と私は思い、ゼロたちはその人物に話かけるか、話かけられるか、あるいは襲われるかをします。
「なぜそんな事をするのだろう」と私は思います。
そして話ができていきます。
スティーブンキングが何かの本で書いていた気がするんですが、お話づくり、世界づくりは「どうして?」の連続だと私は思っています。
「どうして?」と「なるほど」の繰り返しで作られていく。
その全てを説明するわけには行かないので、キャラや私が「どうして?」と思った疑問に答える形で、世界とお話ができていきます。
傭兵は獣人です。「どうして獣人なの?」という疑問の解決のために「獣堕ち」の設定ができました。「獣堕ちってなに?」という疑問の解決のために「獣降ろしの儀式」の設定ができました。そして「魔女と教会の戦争の歴史」が生まれました。
妙に感じるかもしれませんが、私はいつもキャラクターから話を作ります。
Aという事象があるからBというキャラがいるわけではなく、
Bというキャラが生まれた理由を考えるとAという事象が導き出される感じです。
ガチで語っちゃった! はずかしい! 


●ホルデムの設定
本当にホルデム好きですねあなた……
設定か……設定……
ホルデムについてはほぼほぼ作中で設定を語った気がしますが……
あと初動で300枚ちょっとしか売れなかったブルーレイにつけたおまけ短編で語った気がしますが……
ようは生きる事に退屈した貴族の三男坊です。
女性にちやほやされて育ったので、女性に愛される事を「あたりまえ」と思ってるふしがあります。
狼の姿になってからは「この美しさが分からない女には興味がないな」的なナルシズムが加速していますが、「狼の姿が素敵」と言われても別に特に喜びません。
「あたりまえだろ」って感じになります。けなすと怒ります。
こいつほんとに嫌なやつだな。うるせぇ犬面。
ソーレナに対しても最初は「すげー美人だしすげー有名な魔女だし一緒にいたら守ってもらえそう」的な打算的な思いもありましたが、一緒にいるうちに「うそだろこの魔女マジで俺にまったく興味ねぇありえねぇだろだって俺こんないい男なのに一人暮らしの女が俺に全く興味ないってどうなってそんなありえるか普通ねーだろおかしいだろ」って逆にゾクゾクきてしまったどM気質です。
ひっじょーーに状況に流されやすく、すぐに自分に酔ってしまうので、
悪役っぽい役割をふるとすごく楽しく悪役をやります。
正義の味方の役割をふってもすごく楽しく王子様をやります。
初登場時の奴隷ちゃんたちに対する「狂うまで犯す」発言もこの性格に起因している。
たぶん。
たぶんってなんだって?
いやぁ、設定書いてる時点では「こうかな」と思って書いてるんですが、
実際に小説にしてみると「あれ? 設定と違う動きするなこのキャラ。私がおもってたキャラと違うな」となったりするので話半分できいといてください!
結構長々かたっちゃった!
登場させたときは「このへんで傭兵との対比で獣堕ちの三下出したいな」という目的があったんですが、書いてるうちにすげー出しゃばってきたので、
ホルデムはキャラの性格に作者が屈した好例だと思います。
「ホルデム主人公で長編一本書いて」と言われても普通に書けると思う。
それを言ったら他のサブキャラも普通に主人公としてたてられるんですけどね!
求められてるかはべつとして!
ジェマと館長とバルセルの外伝を書きたくて仕方がない虎走です。
こんな感じでいい?

結構長々語りましたね。
なにせ11巻まで続いたデビューシリーズですので、思い入れもひとしお。
作品について語れと言われたら、本一冊分でも楽しく語り続けられるのではないでしょうか。
私の作家生命が続く限り、私の書く者が求められるかぎり、
この11巻をかけて作り上げてきた「ゼロから始める魔法の書」の世界で生きる人々の物語が書けたらいいなと思います。
ほら十二国記みたいにさ。
主人公ころころ変えて、どこかでみんなが交差しながら、すれ違いながら、それぞれの人生を紡いでいく感じ。
憧れるんですよね。

これをもって一年の締めの挨拶とさせていただきますぞー!
それではみなさん、よいおとしを~。







2017年11月10日金曜日

そろそろ十一巻も出るので振り返りでも

みなさんこんにちは
虎走かけるです
Twitterでも呟きましたが、12月9日にゼロから始める魔法の書の十一巻が発売されます。
十巻の続きでもあり、短編集でもあり、過去短編の再録もあり。
そういう一冊になっております。
書き下ろし部分は実はさほど多くないのですが、私はこの短編集が大好きです。
十巻の時も似たような事を書きましたが、この短編集のために今までの巻があったのだとすら思います。
書き始めてからずっと、「本編が終わって、許されるならこういう短編集が書きたい」と言い続けていた代物です。
これが本当に世に出せて、私は幸せな作家です。

ところで私には、デビュー前から作品を読んでくれる友人がいました。
投稿を始める前から、私が趣味で書いた小説を読んで、
面白いと言ってくれる得難い友人でした。
人とのコミュニケーションが苦手で、友人も少ない私と、
ただ「作品」だけを介して繋がっていてくれた人でした。

その人は私のデビューが決まるとことさら喜んでくれて、
私が今、サインに使っている石のハンコを自分で彫ってプレゼントしてくれました。
カルチャースクールにかよい、先生に直してもらいながら作ったと言っていました。
「このハンコが壊れたら、また新しいの彫ってね」と約束していました。
私は新刊が出るたびに自著にサインをして、友人が掘ってくれたハンコを押して、発売前に友人に本を贈っていました。
「いつかゼロと傭兵が、平和になった村で幸せに暮らす話が書きたい」
 そう言うと、友人は
「そういうの絶対に読みたい。楽しみ過ぎる。ずっと待ってる」
 と言ってくれました。
 それが社交辞令ではなく、心からの言葉であると確信できる、数少ない「リアルの知人」というのがその友人でした。

十一巻を書いているとき、そして書き上げたとき、私は「きっと友人が喜んでくれるものが書けたぞ」と確信しました。
早く読んでもらいたくて、いまもうずうずしています。
去年の初めに入院し、そのままあっという間に他界してしまった友人ですが、
それでも私は「読んでもらいたい」と思いますし、「きっと喜んでくれる」と思ってしまうのです。
私は新刊をもって墓前に行くとか、そういう事をできる性格ではありません。
でも私がこうして書き続けている限り、きっと友人はどんな手を使ってでも私が書いたものを読んでくれるだろうと思います。

作家といういきものは、みんなある程度心のなかに「想定する読者」というものがあると思います。
私が初めて「顔のある読者」として想定できたのが、その友人でした。
そして友人は、不思議な事に、他界した今も私の中で第一の読者であり続けています。

十一巻を書き上げて、そして発売が発表されて、胸を張って言う事ができます。
遠野さん、あなたのおかげで完結できました。本当にありがとう。
十年以上も前からあなたが私の読者でいてくれたから、私は自信を失わず、心折れず、ついに作家になれました。本当にありがとう。

これからも友人と、そしてすべての読者のみなさんに恥ずかしくない、
「私は絶対にこれが面白いと思う」と胸を張れるお話を、
書き続けていきたいと思っています。
新シリーズがんばるぞー!




2017年8月11日金曜日

十巻発売したので近況でも

どーん。
というわけで、発売しましたゼロから始める魔法の書十巻。
リンクはこちら
http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893274-5/

今までの中で一番薄い巻じゃないでしょうか。
でも今までの中で一番好きな一冊です。
今まで積み上げてきたお話を、現状の私のパワーでは一番ベストな形に持っていけましたと思います。
この十巻に悔いはない。
思い返せば一巻はあらだらけで、今からでも上下巻分冊に書き直させてほしい気持ちがあるかれど、それはまあ夢のまた夢なので諦めましょう。

さて。
前回のブログ更新から四か月たってますので、いろいろな事がありました。
まずアニメの放送が終わりましたね。
ネット各所ではまだ配信されていたりするのでしょうが、とにかく十二週間駆け抜けました。
ツイッターとか電撃文庫マガジンとかでさんざん言及しているので、今更ブログで語る事もないのですが、とにかくみなさんお疲れさまでした。
いや語りたいことはあるよたくさん。

ただアニメに関わってる人の数が多すぎて、私一人の口から語るにはあまりにも危険が危ないといいますか、どこで何が地雷として働くかわかったもんじゃないわけですよ。
特にブログだと編集部による検閲もないので、私の迂闊な発言がダイレクトにするっとネットに公開されて、それが変に曲解されて炎上したりとかしちゃうわけじゃないですか。
怖い。
なのであえて言及は避けようとおもいます。
あ、でもBlu-rayボックスが発売されて、それに特典小説がついてる事には言及してもいいと思う。
あの特典小説をみんなに読んで欲しいのでボックスを買って欲しいと思う。
折角かいた特典なのでぜひとも皆さんに読んでいただきたい。

2014年に第一巻が発売されてから、およそ三年半。
私のデビュー作である『ゼロから始める魔法の書』に一つの区切りがつきました。
つい先日まで素人モノカキでしかなかった私の文章に、有名イラストレーターであるところのしずまよしのり先生の絵が付いて、大賞作品として売りだされた日の事を、私は今でも覚えています。

思い出してその時の事を色々書いてみたんですけど、
要約すると「イラストーレーターさんってめっちゃすごい」というだけの話だったのでざっくりけずりました。
イラストーレーターさんってめっちゃすごい。

あとコミカライズについてもいろいろ語った気がするんですけど、それも最終的に「漫画家さん超ありがとう」にしかならないから削りました。
漫画家さん超ありがとう。
終わっちゃってさみしい。

十巻について語りましょうか。
語る事ねぇや。読んでくれ。
でいつかできるかもしれない例のあれ(十巻読んだ人にだけ分かるぼかし)も買ってくれ。私がずっとこの世界について書き続けられるように買ってくれ。

まあこのインターネット社会ですよ。
インターネットに公開して少数の読者さんと世界を共有してきゃっきゃするという未来もあるんですけれども、できれば商業で出し続けられるのが一番いい。
イラストもつくし。イラストつくとやっぱり嬉しいし。

まあこの先一冊も出せなかったとしても、私ごときがゼロから始める魔法の書というシリーズが十冊出せただけで大金星だと思うのです。
こんな私がよくぞここまで頑張れた。
十年後、いろんな編集さんから「虎走に書いてほしい」って依頼が来るような作家になっていますようにと願いを込めてこの記事を締めさせていただこうかとおもいます。

これ近況か……?
あ、胃カメラのんでピロリ菌見つけたので除菌に行こうかと思います。
大腸検査は「ストレスで腸壁が薄くなってるから気を付けてね」って言われました。
どうやってストレスに気を付けろって言うねん。
それではみなさん、また何か本が発売したりご報告できるような事が起こったりしたら、あとがきとかブログでお会いしましょう。
まあツイッターでは毎日何かしらどうでもいい事呟いてるんですけどもね!!(╹◡╹)






2017年4月8日土曜日

九巻発売したので近況でも






ドーン。
というわけで、4月8日に無事九巻発売しました~。
http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892824-3/

今までに比べると、ちょっと薄めでしょうか。
一巻の頃に比べると、私もいらないシーンを切り捨てる能力が上がってきたように思います。
切り捨てすぎて「ちょっとページ少なすぎるかな」となるレベル。この調整を初稿でバッチリキメられるようになれば、もう少し執筆速度も上がるのではないかしら。
小説の進捗がヤヴァイので本当はブログ更新なんてしている暇ないはずなんですが、まあほら、息抜き。
大事じゃないですか。息抜き。




近況と言っても、あまり語るような事はありませんね……。
4月10日発売の電撃文庫マガジンに、アニメ化に関してアレコレとか書いてるので、そちらを見ていただけると嬉しい。
なんなら「面白かったよ」ってお葉書とか送ってくれると、特に何も起こらないけど私が喜びます。

で、アニメ放送と同月に、狙ったように新刊が発売してなんだかいい感じの気分なわけですが、
その九巻について、個人的な見どころをね、ちょっとね、語ろうかなと。
思ったんですけど、どこに触れてもネタバレになるので、例のごとく挿絵とか口絵とかについて語りますね!

そういえば皆さんお気づきでしょうか
今まで「奇数巻にのみ傭兵が登場する」という法則が続いていたんですが、
今回の上下巻は「アニメ化と同時に平積みされる新刊だし、できれゼロと傭兵の両方が表紙にいると嬉しい」とお願いした結果、要望を通していただけました。
やっぱり二人がそろってるのを見ると嬉しい!

あと口絵のね! リーリがね! 神父とね!
なんだこの口絵本当にかわいいな! かわいすぎるな!
扉絵食べちゃうヒースもかわいいな!
このヒース、ラフの時点だとしずまさんの名前の部分をかじってたんですが、
データ部分は定型からくずせないらしく、無地の部分を食べてる感じになったようです。

 あ、まだ買ってない?
読んでない?
とりあえず買ってきて、最初のカラーページだけでも見ていただきたいですね!
例のごとく!!
八巻では「こんなにえっちで大丈夫!?」とそわそわしましたが、
九巻はほのぼのと……微笑ましい……ハートフルな……ラブコメ……で……す……!


あ、そうそう。
寒い地域のお話を書いているので、冬のうちに寒さを体験しておこうと、
雪国に飛んできました。
運悪く気温が上がってしまってマイナス六度程度だったんですが、
それでも十分寒かったよ。
雪山に上って吹雪に襲われ、本来やら山の頂上から素晴らしい景色が見えるはずが、
三百六十度真っ白で何も見えないアッハッハって感じの事もやってきました。
木の間に入ると風がさえぎられて楽なんですね。
噂では聞いていたけど全然違った。いい経験でした。
折角なのでスキーもすてきました。へたくそだけど。
最初の一滑りは、滑り方を完全に忘れていたので減速できず、
「死ぬ死ぬ死ぬボーゲンしてるけどスピード落ちないヤバい無理死ぬ助けて」ってなってました。
ずっと滑りながら「重心は前に重心は前に重心は前にビビルと転ぶビビルと転ぶ大丈夫止まれる大丈夫」って独り言をつぶやいていたので、周りのお客さんはかなり怖かったんじゃないかなと。

それで懲りずにもう一度リフトで上り、
周りのみんながどんな滑り方をしてるか観察したら、
「そうだった! 斜めに滑ると減速するんだった! まっすぐ滑ったらいかんのだった!」と思い出せました。
そこからはちょっとずつこころ穏やかに滑れるようになった。
ちなみに初心者コースの話です。
あー怖かった。なんで小さいこってあんなすさまじいスピードでかっとんでいけるんでしょうね?
恐怖心バグってるよ……

滑ってたらまた吹雪いてきて顔面が死ぬほど寒かったので、
二時間くらいで切り上げて帰ってきました。
「帰りがけにスキーして飛行機のって帰ってきたの!?」と驚かれましたが、
私も帰宅してみて「あんなことすべきじゃなかった」とずっと後悔していた。
死ぬほど疲れた。
そもそも雪中行軍で股関節痛めてたのに、なんで私はスキーをしてしまったのか。
まあスキーに股関節使わないからだいじょうぶだったんだけど。
全身くたくたの二泊三日でした。いやあ大変な雪だった。
漁師が撃ってきた鹿肉のステーキとかも食べました。
ワイルドな味わいでうまいうまい。
鹿の首がその辺に転がってるわ、子犬が鹿の足加えて走り回ってるわ、
なかなかカオスな空間でしたがいい経験だったと思います。

電撃文庫マガジンの方にも書きましたが、近々何度目かのイタリアに行ってきます。
じっくり滞在したことのなかったローマを中心に、
またペルージャとかの古い町を見て回ろうかなと。
面白い事がありましたら、旅行記めいたものを書きたいですね。

そんなわけで、九巻発売中でございます。
みんな~買ってね~。


2017年1月3日火曜日

年も明けたし今年の抱負でも

新年あけましておめでとうございます。
あっというまに三が日が過ぎ去っていく。
主に仕事をしている年末年始でしたが、
ちょっとひと段落ついて、久々に五時間とかぶっ続けでゲームしました。
ゲーム楽しい。

そんな感じで今年が始まってしまったのですが、
2017年の抱負がね、私にもあるんですよ。

まず人間ドッグに行く。
これ私の第一目標。
健康診断じゃなくて人間ドックで徹底検査的なやつ。
二年くらい前から人間ドックに行こう行こうと思ってたんですが、
どこに予約入れようかなとか、オプションどれにしようかなとか、
悩んでいるだけで疲れてしまった結局いけませんでした。
今年こそいく。絶対いく。

あとは「増えた体重をもとに戻す」かな……
なんだかんだで、今年すごく体重増えちゃったんですよ……
不摂生がたたっているんだろうか……そういう意味でもやっぱり人間ドック行きたい……。
ようは「健康第一」っていう、ひねりも何もない抱負なんですけども。
 事故を起こさず争わず、病気もせずに健康に一年を過ごしたいですね。

なんだこのまったく面白味のない記事は……
いつまでも自分語り記事がトップにあるのが我慢できず、
せっかくだから新年の記事を書こうと思い立ったけど、
ビックリするくらいつまらない記事になってしまったじゃないか……。

じゃあ12月10日に発売した『ゼロから始める魔法の書Ⅷ 禁書館の司書』の話でもします?
最近あとがきが2P決め打ちで短いし、あとがきっぽいものをブログで書く的な事します?
発売前から私が「とにかく口絵を見てくれ」って言いまくっていたアレの話します?

ものすごくえっちでしたね。
えっち過ぎて「これ年齢制限大丈夫なんですか!?」ってドキドキしたレベル。
こんな……そんな……えぇ……!?
私こんなにえっちなシーン書いてたの……!?
普通に書いてましたね。
ええ、書いてました。
文章だと視覚にうったえられないので「もっともっと」と過剰に描写しちゃう面があるんですが、そこにイラストパワーがのると、もうなんていうか、すごい。(語彙力の消失)

まだ八巻を買っていない方々にも、
是非ともとりあえず口絵(最初に乗ってるカラーイラストのことね)を見ていただきたい。

あとバルセルってキャラが今回出てくるんですけど、
まあいわゆる「さえないおっさん」枠なんですよ。
でもほら、「さえないおっさん」って言っても割とイケメンなおっさんのデザインになる事って、よくあるじゃないですか。
やっぱりみんなイケメン好きだし。商業的な理由で。
私も「そんな感じになるんだろうなー」と思ってたんですけど、
甘かったですね。
「さえないおっさん」て言ったら、しずま神はガチでさえないおっさんをデザインしてくださる方でしたね。
すごい!!! イメージした通りにさえない!! 
あとレイラント副隊長!! イメージした通りにジジイ!!!
ミナかわいい!! 司書普通!!

あとがきだとあんまり脇役にまで触れられないんですけど、
ブログだからページ数を気にせず好き勝手に言えてしまう。
読んでくださった読者さんには共感していただけると思うんですが、特に「司書の普通さ」と「バルセルの冴えなさ」は本当に感動モノのピッタリ感があるんですよ……。
そんなピッタリ感が感じられる『ゼロから始める魔法の書Ⅷ 禁書館の司書』を何卒よろしくお願いいたします!(突然の宣伝)

 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892539-6/

こんな感じで、今年もせっせと小説を書いていきますので、
本年も何卒よろしくお願いいたします。











2016年12月30日金曜日

アニメ化も決まったしちょっと昔を振り返ってみる



みなさん私の過去に興味がおありのようですね……。
31パーセントの私の進捗を気にしてくださったみなさん、ありがとうございます。
ちなみに進捗は今をもってダメです。
まあ息抜き。
そう息抜きですよ。人間そんなに集中力って続かないものだからね。

えー、というわけで、まあアニメ化が決まったんですよ。
来年の四月に。やばい。すごい。
私が電撃文庫小説大賞で「大賞」を受賞したのが、2013年の……何月?
発表をもって受賞とするなら、十月の電撃祭かな?
その辺です。

タイトルは『ゼロから始める魔法の書』。
いくつかの改題案が出ましたが、紆余曲折の結果「このままで行こうか」という話になりました。
最初はよくあるハウツー本を意識して書いていて、章タイトルも「魔法応用学概論」みたいな感じでつけてました。
装丁もハウツー本っぽくしたいなって思っていた。
二巻以降のサブタイトルも「●●の章」みたいな感じで続けていきましょうかって話もあったくらい。
八巻まで話が進んだ現在、その痕跡は最早跡形もない。

で、この受賞に至るまで私が何をしてたかといいますれば。

仕事だよ!!!
普通に毎日仕事してあくせく働いてたよ!!
お金もなかったから趣味で小説書き続けてたんだよ!!
趣味が高じて仕事になったよやったね!!

という感じです。
身も蓋もねーなって? みんな大体そうだろうって?
まあそうですよね。
じゃもうちょっとだけ自分語りするね。

私が受賞したのは26歳の時です。
子供のころからずーっと小説を書いてた私は、
高校生時代には乙一先生なんかの影響で「十代でデビビューできなきゃ才能ない」と思い込んでいました。
そして私には才能などというものはなかった。
そもそも作品を一つ書き上げる力もなかった。

小学生のころから書いてたと言ったな。あれは嘘ではない。
だが「作品」として物語を終わらせた経験は、高校生時点では恐らく一度もなかった。
私の記憶に残る限り一度もだ。
データでも残っていない。(※2019年追記 思い出した一回だけ完結させたわたしかサーチエンジン系のサイトでやってたコンテストのために中学生か小学生で)
そんなどこにでもいる、自意識が過剰に肥大した高校生でした。

そして普通に進学します。
私は特に頭がいい人間ではないのですが、
「その一瞬学んで乗り切る」という事は得意な方でしたので、
勉強は普通に好きでした。
いい点とれるといい顔できるしね!
ほら私とんでもないクソガキだったもんだから、「はぁー? こんなもんもわかんないの?」ってクラスメイトに上から目線で勉強教えるの超好きだったから。
工業数理やら電力技術やらの頭が痛くなるような数式には恐れおののきましたが、
関数電卓つかってOKなのでそんなにつらくなかった。
ぷさいにふぁーいぷさいにふぁーいあなたと私のシュレディンガー!
ネタが分からないひとは「シュレティンガー音頭」でぐぐってね!

でもずっと小説を書きたかった。
だから新卒で就職しませんでした。
先生方が「就職しないの?」って聞くんですけど「卒業して小説書くんで」って言い張ってました。
今だから言うけどこれ本当にダメだからね。
ちゃんと就職しようねみんな。
もったいないからね。
いや私も一瞬就活っぽい事はしたよ? でもあっさり心折れちゃったんだよダメ人間だから。すまんね! ごめんね!
で就職もせず卒業した私を何が待ち受けたかといいますれば。

母がくも膜下出血で倒れました。

この経緯めっちゃ面白いからいつか何かエッセイ的なの書きたいんですよね。
ドラマかよってリアルで口に出すレベル。
二十年くらいして両親が死んだら書きたいんですよね。
あ、先に言っておきますけど母は普通に生還して今も元気に生きてます。
麻痺もない。
奇跡かよ。
生存率30パーセント。
後遺症なしで生き残る確率はそこからさらに下がります。
その時「高額医療費制度」というものを知りました。
なんかしらんけど手術費用とか安くなる。すげー手続した。日本ほんとありがとう。

でも当時は大変でした。
私は毎日母のお見舞いに行きましたし、家族の食事の支度やら、洗濯やら、買い物やらで大忙しでした。ニートから専業主婦にランクアップかよ笑えるぜHAHAHA。
兄は当時大学院生で研究室に泊まり込みとかざらだったので、
主婦っぽい事をできるのが私しかいなかったんですね。ほら何せニートだし。
でも当時は心から「ニートでよかった! 本当にニートでよかった! 私が就職してたらこの地獄は目も当てられん!」と思ってました。
今も思ってる。実に運がよかった。

で、一年くらいかな?
母が少し持ち直してきたころに、主婦をやっていて「……お金必要だな」と実感した私は、とりあえず作家になるのは置いといて、就職する事にしました。
就職できた。
奇跡かよ。

もちろん安月給でしたが、生活には多少ゆとりが出ました。
で、そんなおり。
実は母がくも膜下出血で倒れた時、検査で「C型肝炎に感染してるよ。治療せんと死ぬよ」と言われてました。
いつから感染しとったんや。
ていうかかなり昔に「献血でおかしいって言われたけど、たぶん赤十字が間違えてる」とか言ってたなそういえば。いっこも間違ってなかったじゃないかちゃんとしてよお母さん!
昔輸血された時に感染したんならもう何十年も前だよそれお母さん!
くも膜下出血が落ち着いて、水頭症の心配もなくなり、ある程度懐に余裕もできてきたので、
いよいよC型肝炎の治療をすることにしました。

インターフェロン治療である!!

ググると出てきますが、これは国から助成金が出ます。
実質お金かけずに治せる。
でも「とりあえず自腹で払っておけば、後で返してもらえる」という方式でした。
母の薬を受け取りに薬局に行ったわたしは「いうても一万円あれば余裕だろう」と思っていたら、
請求金額まさかの三万円。
目玉が飛び出ました。
「一週間に一度三万円、とりあえず払っておく」というのがどれだけ厳しいか、国は分かっておられるか!?(手の平返し)
払えたけどね!! 仕事しててよかった!! お金大事!!
のちのち「院内処方にしてもらう事で、窓口での支払い無し」になりましたけどね!

そんなこんなでうちの母、C型肝炎からも無事生還。
不死身かよ。

ところでまだ終わらない。
母の生還とスイッチするように、父が人工透析患者になりました。
元から腎臓悪かったんだけどね!
血圧も高かったしね!
でもそろそろ限界だよね!!
そうかー母が持ち直すまでよく持ちこたえてくれた!

透析しながらどうにか仕事を続けている感じでしたが、
「これはさすがに長くはもたんぞい」と実感しました。
で、私は何をしてたかと言いますと、いまだに小説を書いてました。
時々「仕事で忙しいのによく小説なんてかけたね」と言われるんですが、
逆に時間がないから小説を書いてたんだと思います。
小説って、まったく時間を取らない趣味なんですよね。
ちょっときがむいたときにワードを開けば、数行でも話が進む。

ところで兄は無事に博士課程を修了し、気が付いたら博士になってました。
この兄についてもイロイロドラマチックストーリーがあるけどそこは割愛。
ちなみに兄の博士論文のスペシャルサンクスには私の名前が載っているらしい。
ひゅー兄弟愛ー!

で、私もちょっと本気出して賞を目指してみようと思いました。
「一年やる。だめなら諦めて、何か資格をとって今より給料のいい仕事につく」
そんな決意を胸に、何作か投稿して落ちた事はインタビューでも語ったんですが、
「これが最後。これで落ちたら商業作家は諦める」という気持ちで投稿したのが、
当時の私にしては「すべてのセオリーと好きなものを詰め込んだ私にとって一番面白いお話」であり、『ゼロから始める魔法の書』でした。
これが最終選考にも残らないなら、私に商業作品はかけないと思っていました。
受賞した。
奇跡かよ。
アニメ化決まった。
死ぬのかな?

そんな感じで今の私がここにいます。
こうして書くと結構ドラマチックじゃない?
兄には「とっくに諦めたんだと思ってた」と言われました。
投稿してるの言ってなかったしね。実はまだ書いてました。
意外だろう。私は意外としぶといぞ。

結局のところ、私の強みはそこだったのだと思います。
何はなくとも「続けてた」こと。
もうやめちゃおうかなと思った事は何度もあります。でもほかに趣味もないし、
長く続けて習慣化した趣味を捨てるのは難しかった。

私が受賞した当時は「小説家になろう」がかなり台頭してきていて、
蝉川夏哉先生の邪心に転生したらさっそく滅亡しそうなやつとかの名前を結構見かけました。
当時はよもや蝉川先生とリアル脱出ゲーをしに行く仲になるとは思いもよらず。
そういえば蝉川先生と初めて顔を合わせたのは、大阪で友野先生が開催しているボドゲ大会だったな……思えば遠くに来たもんだ。

ともかく、ほほーんそういうのもあるのか、と私も一瞬そちらに投稿する事を考えました。
いやどうだろう。賞金欲しかったから受賞しか狙ってなかったかも。
この辺の意思決定ちょっとあいまいですが、まあリアルタイムで読者さんの反応をもらえるのは間違いなく嬉しいし、実際のところ「一冊書き上げるまで孤独な闘い」っていうのは結構きつい。
今でこそなれましたけどもね! 一巻二巻くらいの時は、
そりゃもう周りの知人に「これどうおもう?」って確認したりしてましたよ。
でも臆病な自尊心と尊大な羞恥心が、
ポイント取れなかったり、おおやけの目にさらされながら選考に落ちる事を許容できなかった。
毎回名前を変えられる公募にこっそり投稿していました。
自慢じゃないけど私は低いプライドが高い。

いかがでしたでしょう。
私は昔昔のその昔、受賞したり、アニメ化したりする作品をかけるひとは、
何か特別な才能を持っているんだと思っていました。
でも私はびっくりするくらい凡人です。
努力家でもないし頭もよくないしなにかすごい経歴とかあるわけでもない。
私の場合は「続けていたから運と縁に恵まれた」という感じでした。
たぶん私の人生におけるステータスは「ラック」に極振りされている。

私の書いたものをよんで「これなら俺でもかける」と思う人が、きっとたくさんいるはずです。
私も昔そう思った。
でも創作なんて「自分もできそう」「面白そう」で参入してきた若者たちが、
なんとなく続けて練度が上がって、それで面白い作品がうまれたりするから賑わうものだと思っているから、私はそれをむしろ奨励したいと思うんです。

そりゃ傷つくよ!? 悪口言われれば腹立つよ!?
でも「面白い」って言ってくれる人が一人でもいるんなら、
私はその人のために今後も書き続けていられると思います。

よーし作家ぽくしめられたぞ。
とにかく今年一年、私がデビューしてから三年、本当にありがとうございました。
来年もよろしくおねがいいたします!ヾ( ╹◡╹)ノ゙


2016年10月6日木曜日

アニメ化

決まりました~!
やった~!
読者のみなさまのおかげです。
2017年に放送予定ですので、その時まで私もドキドキしながら待っていたいと思います。


月並みな挨拶で申し訳ないありませんね……。
なにか面白い話でもできればいいんですが、特にお伝えできる事もなく……
とにかくします! アニメ化!!

 公式Twitter
 https://twitter.com/zeronosyo

 ハッシュタグ
#zeronosyo」

公式サイト
 https://t.co/3ix38fMrCQ

 要チェックチェケラ!

あと、サイン会にご来場くださったみなさん、お疲れ様でした&ありがとうございました。
「二度目やで」って方が結構いらっしゃってびっくりした。引きの強さにビックリ。

おみやげも頂いけて嬉しかったです。

サイン会の時は努めてテンションを上げているので、私の普段のテンションを知っているしずまさんに「どうした突然」という目で見られたりもした気がするけど、ただの気のせいかも知れない。
バックヤードでずっと「緊張する」「逃げたい」「こわい」「人いっぱいいる」「おひぃー」となっていた小心者です。
でもたくさんパワーをいただいた。ありがとうございます。

あとはアニメがドッキリではないことを祈るばかり。
原作もがんばっていきますので、なにとぞよろしくお願いいたします!