『魔法使い黎明期』アニメ化するってよ。
どうもみなさん虎走です。
常々「人生でもう一回アニメ化したいなぁ~!」と言ってたんですが、するそうです。アニメ化を。人生で二度目の。思い残すことがなくなってしまった……!
作家になって苦節七年もうすぐ八年。
最初のアニメ化は『ゼロから始める魔法の書』で2017年。
それから四年の月日が流れました。
四年。
長かったような、あっという間だったような……まるで月並みな表現になってしまう。
何もしていなかったような気がするんですが、何かしらやっていたような気もする。
いろいろな事があって『ゼロから始める魔法の書』と世界を同じくする『魔法使い黎明期』を、講談社ラノベ文庫さんから出版させていただきました。
それが2018年の8月31日。3年と一週間前です。
ゼロの書が完結して、ほとんど一年くらい、この黎明期を出すためにジタバタしていました。引っ越しもしたりしました。
大好きな作品の『シャーマンキング』のノベライズを引き受けたのもこの時期です。
講談社の担当さんと縁を繋いでいただけたのは、本当に幸運なことでした。
入院したりもしました。
「ラブコメで売れたいなー!」とおもってサキュバスアイドルを書いたりもしました。売れなかったけど面白いとは思うんだ……。またラブコメに挑戦したい。
ソシャゲ『クロスロゴス』のシナリオをやらせていただいたりもしました。
力及ばすスピードサ終という結果になりましたが、私は今もこのシナリオが大好きです。
このシナリオをやっている最中に、父のガンが判明しました。
介護と並行するために、締め切りを動かせないソシャゲシナリオ以外の仕事を全部注視して、できるだけ父と過ごす時間を作りました。
闘病は半年くらい。
父が死んだのは2020年の三月でした。
このあたりの記憶が、どうもフワフワしていて曖昧です。
遺品整理をして、部屋の改造をして、四か月くらいは忙しく過ごしていたような気がします。
8月くらいからようやく本格的に動きだせたような?
児童書を書いてみたいなという相談をして、青い鳥文庫さんを紹介していただいたりしました。
二巻で止まっていた黎明期の三巻を、ようやく書き始めたりもしました。
メールの履歴を見る限り、ようやく三巻の原稿が完成したときは十二月になっていました。
三巻が発売されたのは3月9日。
そしてこの三巻の発売とともに、アニメ化が発表されたわけです。
講談社にこの作品の一巻を持ち込んだ時、私は「一巻で打ち切りでもしかたない」「幸運だったら三巻までかけるかもしれない」と思っていました。
刊行を一年も引き延ばした三巻の原稿を書きながら、「さてどうやって綺麗に終わらせるか」とすら思っていました。
ですが三巻の原稿を書いている最中に、「黎明期にメディアミックスの話が来ています」と連絡がきたのです。
都内某所。
雨が降る夜のことです。
私は喫茶店に入ったばかりで、紅茶を注文して、席についたところでした。
電話がかかってきたので全部抱えて外に飛び出し、しとしと濡れながらアニメ化の話を聞きました。
これは三巻のあとがきにも書きましたが、「ご冗談でしょう」と笑ったのを覚えています。
イラストレーターさんのいわさきさんと、「アニメ化するって!!!」と大騒ぎもしました。
いわさきさんにも常々「三巻で終わると思う」と言っていたので、「どうしよう!?」と言ったら「はやく続きかかなきゃ!」と言われて、そうだ続きを書かねばと慌てました。
四巻以降も書けるのだとしたら、あのエピソードも、このエピソードも、書きたかった全部を私は書いていいのだと知って、やたらとそわそわしました。
今もそわそわしています。
一年も作品を発表できず、プロットもまともにかけずにいた私です。
児童書の企画は動きつつありましたが、「これからどうしようかなぁ」「作家として再スタートだなぁ」「そもそも私は作家を続けられるんだろうか」「副業見つけないとなぁ」ともやもやしていた私の背中を、『魔法使い黎明期』が「ぐだぐだいうとらんで働かんか」押してくれたような気がしました。
『ゼロの書』のアニメが終わり、「もう一回くらいアニメ化したいなぁ」と言ってた私は、「次は一切アニメに関わらないで、監修もしないで、キャストだって公式HPで読者と一緒に知る位の距離感でかかわりたいな」とも言っていました。
なぜなら死ぬほど大変だから。
アニメってめちゃくちゃたくさんの人とかかわるんですよね……。めちゃくちゃたくさんの人で作ってるコンテンツだから……。
担当編集との対決以外は根本的に人とかかわらずにいられるコミュ障作家にはあまりにも荷が重い。
ですが実際にアニメ化が決まり、企画が動きだしてみると、なんやかやとかかわらせていただくことが多く、気が付くと『ゼロの書』の時より深くかかわっているように感じます。
大変だったかというとそれほどでもなく……そういえばこの四年で、私は人と話すことが苦痛でも恐ろしくもなくなっているなぁと気が付きました。
以前は担当編集にメールを送るのにも冷や汗を流していた私ですが、今やだるだるにだらけ切った適当メールをポンポン送っている自分にも気づきました。
少なくとも、私は四年前より随分図太くなったようです。歳も取ったし感情もちょっと鈍化したのかな!? なにせ『ゼロの書』の時の私はまだ二十代でしたから、何もかもが不安でした。
この軽度の対人恐怖症めいた性格は一生治らないと思っていたんですが、わりと落ち着いてきたように思います。セルフサイン会行脚もしたし。
おそらく『魔法使い黎明期』のアニメのなかで、私が違和感を覚えるセリフは一つも出てこないでしょう。
これらのセリフに絵がついて、声がついて、動きがつく。そう思うとうきうきとそわそわで原稿も手につかないレベル。
でもアニメ放送中に「アニメ放送中!」って帯がまかれた自作が全巻面陳とかされる夢を抱いているので、頑張って原稿を書こうと思います。そして本を出そうと思います。
面陳されたときに巻数多い方が映えるから。
ついでに『ゼロから始める魔法の書』も並べてくれたら壮観なのにとか思ってるから。
次の私の作家の目標は、ミステリやホラーや青春や恋愛を書いて、実写化されることですかね!?
もしくは脚本賞とかに応募して、脚本家を目指すことですかね!?
できないことを一つずつできるようになってゆきたいと思います。
つぎは黎明期4巻が発売するころにお会いしましょう。
というか『呪イアツメ』の発売告知ブログも書けばよかったな……二巻の時に書こうかな……。