ババーン。
やあ諸君。
「作家が勝手にレンタルスペース借りて無限にサインする会」主催の虎走かけるだよ。
『ゼロから始める魔法の書』の続編であり、
新シリーズでもあるところの『魔法使い黎明期』の発売を記念して、
まあ今年は電撃のサイン会にも呼ばれてないしいっちょもんだるか、
とばかりに始めたこの無謀企画。
講談社ラノベ文庫およびイラストレーターのいわさきたかしさんによる、
いささかのクレイジーさをはらんだ広い心によって実現したわけですが、
企画段階ですと「十人来たら成功」という見積もりでした。
百人以上きました。
うそでしょ??
おもてたんと違う!!!
「熱心な読者さんが開始前に何人か並んでくれるかもな~」と思ってました。
二時間半列が途切れませんでした。
助けて!!
ちょ! 助けて! まって! 隣のビルに迷惑かかっちゃうから!
そこ、そこの大畑さん!
そう!! 『ゼロから始める魔法の書』で古着屋の店主役で出演してくださったベテラン声優の! 大畑さん! わざわざ会場前にご挨拶に来ていただいて申し訳ないんですけどちょっと! ちょっと列整理を!!
えーご来場いただきましたみなさんはお気づきになりましたでしょうか。
エレベーターでみなさんを五階まで案内してくださっていたあの人です。
足を向けて寝られない。
大畑さんがいなかったら完全に詰んでた。
そもそも今回のセルフサイン会。
・虎走&いわさき
・受付スタッフ
・くじ引きスタッフ
という四人で回す予定で進んでました。
「くじ引きスタッフは最悪いなくてもいいんじゃない?」くらいの勢い。
っていうか私はお客さんはほとんどこないと思っていたので、
ニンテンドースイッチを持参してセルフサイン会に臨んでおりました。
「一人しかこなかったら後世に名を遺す笑い話ですわ」とか笑っておりました。
見通しおお甘だったよ!
人がこなかったら笑い話で済みましたけど、
人がたくさんきて迷惑かけて失敗とか完全に悪名が轟くレベルですよ!
すみません!
自分がこんなに人気者だとは!
思いもよらず!!(ドヤ顔)
まあふざけている場合じゃないんですよ。
奇跡的に回ったからよかったものの、一つでもピースがかけたら炎上間違いなしの第惨事のゴミクズイベントになるところだったんですよ。
いや反省。
猛省。
大反省。
反省終わり。
とにかく大成功でございました!!
これもひとえに皆様のおかげです!!
現地で私がうっかり口を滑らせた危険は名無しのもろもろは、みんな心にとめおいたまま外には漏らさないでおいてくれたまえ。
さてせっかくなので、今回のサイン会のもろもろの内訳を。
もし「いっちょ自分もセルフサイン会やっちゃろか」という方は参考にしていただければ。
●イラストレーターさんを巻き込む(難易度高)
えー。まあ普通引き受けてくれません。
だってどんなトラブルに巻き込まれるかわからないし。
サイン会っていうたら顔出しイベントですし。
ところで『魔法使い黎明期』のイラストレーターさんは、
いわさきたかし先生です。
『ゼロから始める魔法の書』のころから親交があり、
お互いラインも交換してたので、思い立ったが吉日で連絡しました。
虎走「いわさきさーん。編集部がいいって言ったらサイン会しようよ」
いわさきさん「いいよ!」
詳細も聞かずに即答するそのいきやよし!
ちなみにいわさきさんは交通費もホテル代も自費です。
どうかしてるぜ!
私なら断る!
判定成功! 第二段階へ!
●編集部に許可を取る(最大難易度)
何度も書いてると思いますけど、
普通作家が「自分でサイン会開いていい?」って言っても、
編集部は許可出しません。
だってどんなトラブルが起こるかわからないし。
講談社ラノベ文庫もだめっていうだろうな。
でもダメもとで訊いてみようかな。
担当編集「いいよ!」
クレイジーかよ。
判定成功! 第三段階へ!
●会場をおさえる(難易度低)
この編は地下アイドルさんたちも握手会開いたりしてますし、
レンタルスペースを見つけて確認とって予約入れればなんとでもなるというかんじ。
今回は「アキバでそこそこ駅から近いところがいいな~」ということで、
パティア秋葉原さん
にお願いしました。
万世の近く! 人ごみからもやや離れてて、
列ができてしまった今回は結果的に最良のポイントだったと言える。
判定成功! 第四段階へ!
●スタッフを集める(難易度中)
日ごろから友達いないアピールをしている虎走ですが、
今回ばかりは人脈を総動員してどうにか手伝ってくれる人々を集められました。
虎走「飯おごるからてつだってくれーーたのむーーー!!」
友人×2「いいよ!」
まったく恵まれたことである。
判定成功! 第五段階へ!
●イベント感を出す(難易度中)
「せっかくわざわざサイン会に来てくれるのに、サインだけで帰られてしまうのもなんだかしのびない。せや! くじびきで景品だそ!」
というわけで、『ゼロの書』シリーズやってた頃に集まった様々なグッズやら海外版やらをくじ引きとして放出することにしました。
その点数およそ80点ほど。
「一応、過去の書店特典も持ってくか」と追加で50くらい持ってった。
総重量25キロ
熊本から運んで行ったので腕がばっきばきになりました。
でもほら、デラックスでしょう!?
ついでだからいわさきさんに特賞の色紙かいてもらおっと!
虎走「いわさきさーん色紙かいてよ」
いわさき「いいよ!」
本当に大丈夫かこの人のサービス精神。
悪い作家にだまされやしないか。
悪い作家って誰だ。私か。
「さすがにいわさきさんだけに労力を割かせるのはもうしわけねぇ。私も二枚ばかり掌編ひきかえチケットを入れておこう」
さすがにこれだけ景品を用意すればなくなることはあるまい!
きたれ読者諸君! がはは!!
全部なくなりました!!
帰りの荷物が軽い軽い!!
ありがたやーーー!!
あと電子書籍もかってくださったみなさんのために、おまけ掌編も書きました。
やすい紙のペライチみたいにする予定だったんですが、
古宮先生が「いい紙にしたまえよ」と言ってきたので1000円の予定が5000円に。
ちっ痛い出費だぜ。
あとポスターを二枚ほど刷りました。
一枚は使いまわせる布ポスター。
一枚は書店特典をまとめた紙ポスター。
布ポスター運んでくるのたいへんだったぜ。でかくてな!
つぎ! 第六段階へ!
●告知する(難易度低)
準備段階から「百人とかお客さんがきたら詰む」とわかっていたので、
ツイッターとブログだけでだらっと告知をかけとりました。
しかし意外とラノベニュースさんなどに取り上げていただいたりして、
労せずして結構な人々に告知が回っていったらしく、
なんと百人超えのお客様方が。
ありがたやーやりがたや。
そしてきたる9月8日、無事結構とあいなりました。
いやあ人生で一番短時間で大量にサインをこなした一日でした。
翌日腕があがらなかった。
そして「サイン筋・ハンコ筋」というものがあることを知った。
腰も痛かった。
喋りすぎてのども痛かった。
●予算のはなし
ざっくりとですが、十五万円くらいという感じだと思います。
◆東京までの交通費&宿代
4万くらい
◆会場レンタル
5時間で5万円弱(今回はレンタルキッチン&土日&微妙な時間だったのでお値段高めです)
◆ポスター印刷費
布A1 4700円と
紙A0 6000円で
合計一万円くらい
◆おまけ特典印刷費
5000円
◆くじびき景品
全部出版社からもらったサンプルなのでプライスレス
◆スタッフ
友達にたのんだのでプライスレス
◆打ち上げ費用
ちょっといいとこいったんで4万円
今回結構欲張ったのでこのお値段になりましたが、
「地元で 著者だけで 景品出さずに サインだけする」
という条件にすれば、レンタルスぺ―ス代だけで事足ります。
列ができそうならスタッフを四人くらい雇った方がいいと思う。
こうして計算してみると結構かかってるね!?
とはいえ、やるだけの価値はあったと思いました。
たくさんの読者のかたと触れ合えた。
とは言えまあ、結論としてはですね。
次は編集部主導のサイン会がいいな!!!!
労働力プライスレス。
死ぬほど大変でした。
「東京で成功したら地方でも」とか言いましたが、
やるとしたら虎走が身一つでレンタルスペース借りて、
来場者特典のペーパーを配ってサインする感じの縮小版になると思います。
くじ引きは! たぶん! 二度とやらない!! すげー大変!!
来たくださった読者のみなさん、
スタッフのみなさん、
急遽助けてくれた大畑さん、
遊びに来てくれた作家さんやイラストレーターのみなさん、
古いなじみのみなさん、
様子をみにきてくれた編集さん、
お付き合いのあるゲーム会社の恩方、
とにかく来てくださったすべての人に!
本当に本当にありがとうございました!!
私は本当に幸せな作家です!!
追記!
「スペースかしてやってもいいよ」って書店さんおりましたら、
私のメアドか編集部に連絡いただければ、身一つでよければとんでまいりますんで!
なにとぞ!!